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紫色の月光

紫色の月光

スーパーロボット大戦OG・X

プロローグ



 15年前。

 ドイツのある田舎町。

 そこには特別な観光地なわけでもなく、住宅地よりも自然の割合が多かった。一面緑に覆われている田舎町。

 そんな町に少女はいた。

 年齢はまだ4歳。

 少女は一人の男性の隣にいた。
 自分の父親だ。
 普段は「とても遠いところ」でお仕事をしているらしくて、少女とは毎日会えるというわけではない。だが少女は普段は親戚の家に預けられており、生活には困っていない。

 
 木製の家の中には2人の人間が住んでいた。
 
 少女と父の2人だ。


 少女は家と同じ素材で作られている椅子に座りながら父とお喋りをしていた。何分、甘える時間が余りにも少ない相手だったため、反動が出てしまったのだろう。





 気づけば既に夜だった。

 目の前のテレビではニュースの時間だった。 
 アナウンサーが偉く深刻な顔で先ほど入ってきたと言うニュースを伝えた。
 その内容は少女には理解できなかったのだが、その時の父の顔はその幼い目に焼きついた。

『先ほど入ったニュースです。―――――日本の凶悪殺人犯『ハゲタカ』が―――――」



 「ハゲタカ」



 少女は良く覚えている。

 その名を聞くと何故か父は悲しそうな表情をする事を。



 それから時は流れ、少女は19歳となった。
 
 父とはあれから全く会っていない。
 そして、同じ時期から「ハゲタカ」の名前を全く聞かなくなった。






 アースクレイドルの戦い。シャドウミラーとの戦い。これらの戦いで物語は終わらない。
 
 何故なら、これから『ハゲタカ』が15年ぶりにその名前を使って戦いを始めるつもりだからだ。

 ハゲタカは機動兵器のコクピット内にいる。
 その素顔の全面を黒い仮面で隠しているが、その強大な敵意は確かに存在する。


 その強大な敵意をぶつける相手は彼の目の前のモニターに映っている科学者達の名前と軍の一部のトップの人間の名前、そして彼等が作り出した10の『戦闘人形』。

 嘗て、アースクレイドルの戦いとシャドウミラーとの戦いで「大切な物」を失いつつも戦い抜いた少年だった『物』は決意する。

「勝ってみせるさ………どんな手段を使ってでもな」



 この作品はバンプレストオリジナルキャラと、『スーパーロボット帝国』にて掲載中の『スパロボX』のオリジナルキャラが登場する、『スパロボX』続編に当たる作品ですので、そこのところをご了承ください。


第一話「インビシブル・モンスター」




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